2025年5月15日〜16日に開催されたQ2B Tokyo 2025にて、Q-STARの島田代表理事と、岡田実行委員長が登壇し、活動概況の紹介とともに量子技術の最新動向と未来への展望について熱いメッセージを発信しました。また、Q-STAR会員企業各社が展示ブースにてそれぞれの事業やサービスを紹介し、グローバル規模で市場創成期にある量子コンピューティング業界の中、多くの来場者との交流を深めました。
さらに、複数のセッションの登壇者による発表を通じて、多くの技術ノウハウが共有され、グローバル規模での情報交換とノウハウ共有の場となりました。参加者は最先端の研究成果や技術動向について議論を交わし、量子技術の発展に向けた活発な意見交換が行われました。
Q-STARの活動紹介と業界へのメッセージ
初日に岡田実行委員長は、「量子産業における日本のイニシアティブと野心」と題したプレゼンテーションを行いました。その中で、日本の技術力と製造業に支えられた事業基盤を活かし、量子革命とそのバリューチェーン構築を通じていかに貢献できるかを説明しました。特に、Q-STARが推進する多様な会員組織との連携、実際のユースケース創出、人材育成の取り組みを紹介しました。さらに、国際パートナーシップの重要性を説き、グローバルな協力体制の構築を目指す姿勢を示しました。

二日目のキックオフメッセージとして、島田代表理事が「Creating Quantum Market and Ecosystem」と題する講演を行い、量子技術が社会、経済、環境にもたらす可能性について言及し、日本が量子技術を社会全体に取り込み、産業成長と社会課題の解決に繋げる重要性を強調しました。また、Q-STARがグローバルな連携を強化し、量子技術の普及に貢献する決意を示しました。
Q-STARは、量子技術の発展と社会実装に向け、今後も国内外の量子関連団体との連携を強化し、社会の発展に貢献していくことを目指しています。
「量子産業の中心地はここ東京にある」との熱いメッセージで島田代表理事の講演が締めくくられました。

また二日目のパネルディスカッションでは島田代表理事と共に、岡田 俊介 氏(Quemix株式会社 代表取締役社長)、松下 雄一郎 氏(Q-CTRL CEO & Founder)、Constanza Vidal Bustamante 氏(Fellow, Technology and National Security, Center for a New American Security)が登壇し、量子技術の国際的な連携と産業応用の未来について議論が交わされました。
島田理事長は日本における量子技術の社会実装の進展と、産業界とアカデミアの連携の重要性について述べました。特に、量子を巡る競争は閉じた技術競争ではなく、開かれた国際協調の上にこそ飛躍があると強調し、国際的な連携の必要性を訴えました。
このセッションでは、企業における量子技術の開発状況や実用化に向けた課題、日本市場への期待が示されるとともに、量子人材の育成と国際的なエコシステムの構築の必要性が再認識されました。若手研究者やエンジニアの育成が今後の量子産業の競争力に直結するという認識が共有され、未来に向けた協力の方向性が明確に示されました。
さらに島田理事長は、ICQIAを通じたQ-STARの国際連携に加え、2025年4月に英国のUKQuantumと締結したMoU(覚書)にも触れ、「強固でオープンな協調体制を築くことで、量子技術の社会実装を加速できる」と述べ、日本の量子産業界を代表して、政府および国際社会との連携を呼びかけました。また、量子技術の産業応用において日本は材料・計測・製造の分野で強みを持つと分析し、その優位性を生かしてグローバル標準づくりに主体的に参加することが、日本企業の成長戦略そのものになると語りました。さらに、Q-STARがG-QuATと連携して進める“テストベッド”や“ユースケースの共同開発”を国際コンソーシアムと協力して推進し、標準化活動や人材交流を進めていく構想を示しました。
この発言は、日本が量子技術の国際的なリーダーシップを発揮し、開かれた協調のもとで産業と社会の未来を切り拓いていくという強い意志を示すものでした。
