国立大学法人東北大学(総長:大野英男、以下「東北大学」)と一般社団法人量子技術による産業創出協議会(代表理事:島田太郎、以下「Q-STAR」)は、5月12日から開催されたG7仙台科学技術大臣会合の最終日である5月14日、内閣府、文部科学省、経済産業省共催の公式サイドイベントとして、ハイレベル会合「量子技術が切り拓く未来」を東北大学敷地内に整備中の3GeV高輝度放射光施設(*1)「NanoTerasu(以下「ナノテラス」)」にて開催しました。
本会合には、高市早苗内閣府特命担当大臣(科学技術政策)をはじめ、G7各国の大臣クラス、および、海外産業団体などが出席し、産官学が一堂に会した形で、世界的に関心が高まっている量子技術の社会実装をグローバルで加速させるための取組みや課題の共有、それらについての意見交換がされました。
現在、社会のデジタル変革や技術が進むことで、様々なデータが生みだされています。その中でも、ナノテラスなどの世界最先端技術を活用した、今まで取得できなかったデータを、既存技術に加え、量子コンピュータなどの新技術と掛け合わせていくことは、様々な社会課題の解決や、従来には無い価値創造への活用が加速できると期待されています。
本日の会合では、量子技術の発展や実用化の加速には、産業界にとどまらず、政府、アカデミアも含めた国際的な協調の必要性が高まっていることが改めて認識されました。さらに、グローバル規模での量子産業エコシステムの構築が重要であること、そのためには産業団体は連携を強め、社会実装に向けた活動を益々協力していくと共に、各国政府からの支援も重要であるという価値認識を共有し、会議を閉会しました。
*1 ほぼ光速である3GeV(ギガ電子ボルト)まで加速された電子が磁場によって向きを変える際に発生する高輝度X線を利用して、物質や生物の機能を可視化する最新鋭の放射光施設。
ハイレベル会合「量子技術が切り拓く未来」概要
日時 :5月14日(日)11:40-12:40主催 :東北大学、Q-STAR
共催 :内閣府、文部科学省、経済産業省
開催場所:3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」
議長 :伊藤公平 慶應義塾塾長(量子技術イノベーション会議座長)
参加者 :G7代表団、高市早苗内閣府特命担当大臣(科学技術政策)、日本政府関係者、海外量子産業界代表(The Quantum Economic Development Consortium (QED-C/US),European Quantum Industry Consortium (QuIC/Europe),Quantum Industry Canada (QIC/Canada),東北大学、一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)
量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)について
「量子技術による新産業創出協議会(Quantum STrategic industry Alliance for Revolution 略称:Q-STAR(キュー・スター))」は2021年9月1日に発足以来、産業、及び、企業の枠を 超え、量子技術を応用した新産業の創出を目的に、現在70以上の法人が参画する団体です。Webサイト https://qstar.jp
NanoTerasu(ナノテラス)について
NanoTerasuは、官民地域パートナーシップ(注1)によって建設中の最先端のシンクロトロン放射光施設であり、学術、産業、双方の研究力強化と生産性向上に貢献する高いポテンシャルを持っています。2024年の運用開始後は、リチウムや炭素などの重要な軽元素を感度良く観察できる高輝度な軟X線を活用することで、量子デバイス、クリーンエネルギー、気候技術、バイオテクノロジー、食品生産など、さまざまな分野で強力な測定ツールとして利用が期待されています。Webサイト https://www.nanoterasu.jp/
(注1)国の主体である国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構と一般財団法人光科学イノベーションセンターを代表機関とする宮城県、仙台市、国立大学法人東北大学、一般社団法人東北経済連合会からなる地域パートナーで構成
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